Reportイベントレポート

2022年03月29日
自然との共生を学ぶ

海の体験型イベント「何が出るカナ?底びき網漁の漁くずをしらべてみよう!」

海の体験型環境学習は例年夏に開催していましたが、今年度は時期を変えて冬の2月9日に岸和田市阪南港で開催しました。
きしわだ自然資料館と岸和田市漁業協同組合にご協力いただき、岸和田市漁業協同組合の競り場のスペースをお借りして、大阪湾で行われている底びき網漁業の漁くずを調べてみようというイベントです。

漁くずとは、底びき網漁業で海底を曳いた網の中に入ってきたものを船上で漁師さんが売り物になる水産物を選別して取った後に残る混獲物のことです。
普段は選別後に捨てられてしまうものですが、今回は漁師さんにお願いして港へ持って帰ってきてもらいました。
魚くずからは普段なかなか見ることが出来ない大阪湾の海底に棲むフシギな生き物たちがいろいろと見つかります。

計画では当日朝から漁に出た底びき網漁の漁師さんが午後に港へ戻ってきて、その日に獲ってきた新鮮な漁くずももらって観察する予定でしたが、
当日はあいにく海上の風が強く漁に出られなかったため、事前に獲って冷凍しておいてもらった魚くずだけを調べることになりました。

講師はきしわだ自然資料館の柏尾 翔さん(貝類・棘皮動物の専門家)と花崎 勝司さん(魚類の専門家)、環境事業協会の和田 太一(甲殻類・その他の動物担当)です。

魚くずを調べる前に、先ずは底びき網漁を行う漁船を見に行きました。
岸和田市漁業協同組合の漁師の音揃さんから、どんな船でどうやって漁をしているのか、どんな魚介類が獲れるのかなどを教えてもらいました。

底びき網には2種類あり、先端にたくさんの爪が付いた網(ケタ網)に石の重りをつけて海底を引っ張る「石ゲタ網」漁、網の口を大きく広げるためにロープに開口板をつけて海底付近をひく「板びき網」漁があります。大阪湾では色々な魚介類が獲れますが、昔に比べて最近は獲れる魚の量は少なくなっているというお話も聞きました。

その後、競り場で漁くずを選り分け作業開始です。
漁くずをブルーシートの上に広げ、参加者みんなで貝・魚・エビカニ・棘皮(ウニ・ナマコ・ヒトデ)・その他の生き物に選り分けていきます。
漁くずにはたくさんの生き物が入っていて、全て選り分けることは困難なぐらいでした。
バットに山盛りになるぐらいの小さなカニやエビ、シャコ、二枚貝、ガッチョ、シタビラメの仲間など色々な生き物が見つかりました。

選り分け作業が終わってから、講師3人による生き物の解説です。
刺胞動物のウミサボテンとそれを食べるサメハダシタウミウシ、背中が人の顔のように見えるヘイケガニ、赤くて細長い魚アカタチやアカウオやチワラスボなど、魚くずの中にはフシギな生物がいっぱいです。
講師の解説を、子ども達や大人の参加者も興味津々で聞いて、調査用紙にメモを書き込んでいました。
今回の漁くずしらべでは全体で50種類以上の生物を確認することが出来ました。(確認した生物のリストは後日紹介します。)
漁くずを調べる体験は初めての子ばかりでしたが、みんな予想以上にたくさんの生き物がいることに驚いていました。
底びき網の魚くずの中にはプラスチックのごみもたくさん混じっているのも見つかりました。

最後のまとめの話の中で海洋プラスチックごみの問題についても紹介し、大阪湾の環境と生物について考えてもらいました。
大阪湾の海底の環境がどのような状態になっているのか、このイベントを通して感じることが出来たのではないでしょうか。
美味しい魚介類が獲れて、様々な生き物が暮らしている大阪湾ですが、川を通じてたくさんのごみが流入して海洋ごみとして問題になっています。
これからも豊かな大阪湾を見守り続けていくために私たちの暮らしも見直していかなければなりませんね。
今回のイベントにはNPO法人大阪府海域美化安全協会から「大阪湾の魚のクリアファイル」を提供いただきました。ありがとうございました。

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