Reportイベントレポート

2023年03月03日
SDGsアクション 環境を考える人づくり 自然との共生を学ぶ
#アカミミガメ #カミツキガメ #ミドリガメ #外来種問題 #天王寺動物園 #特定外来生物 #環境学習 条件付き特定外来生物

外来種問題学習イベント『みんなで学ぶ!アカミミガメのはなし』を開催しました!

2月18日(土)に天王寺動物園との共催学習イベント「みんなで学ぶ!アカミミガメのはなし」を開催いたしました。

このイベントは、2023年6月から施行される「条件付き特定外来生物」についての普及啓発の学習イベントとなっております。事前申込制にもかかわらず、多くの人にご参加していただきました。寒い中、ご足労頂き誠にありがとうございました。

最初は和亀保護の会の西堀智子さんに、「外来種ってなんやろう?アカミミガメはアカンやつ?!」という外来種についてのお話をしていただきました。

まずは外国から来たワルそうなやつらということで、アライグマをはじめヌートリア、ワニガメ、ウシガエルなど皆さんの顔なじみの外来種を紹介。これらが外来生物であることは知っている方も多かったようです。

一方で、野菜や果物、園芸用お花・犬猫ハムスターなどのペットなども条件によっては外来種になってしまうということも説明がありました。

特に奄美大島では天然記念物である「アマミノクロウサギ」を野生化したネコが狩りをして頭数を減らしてしまうという悲しい現実も紹介。

こういった現実から目を背けず、変えていくには私たちがアカミミガメやザリガニなどのペットを野生に逃がしてしまうことをやめなければならないという大切なお話でした。

次に、天王寺動物園の飼育課である西村慶太さんから「カミツキガメはなぜかみつく?」というおはなしがありました。

カミツキガメは「特定外来生物」という、日本の法律上では飼育も所持も移動も禁止されている特殊な生き物です。テレビやネットニュースなどではその凶暴性が目敏くピックアップされていますが、カミツキガメがかみつくには多くの理由があることが説明されました。

大変臆病な性格のカミツキガメは、一生を水中で暮らします。卵を産むとき以外は陸に上がることなどめったにありません。人の気配を察知するとすぐに隠れたり逃げたりします。

そのため、陸に上げられたカミツキガメは抵抗手段がなく怯えているため、自分の身を守るためにかみつくだけということでした。くちばしは鋭く、ニンジンなどのかたい野菜も一発で折ってしまうほどのあごの力を持つためその性質のみが強調されてしまい、凶暴で危険な生物であるという認識が伝わっていました。

正しく生物を知ることで、多くの皆さんの思っている誤解を解くことができました。

2つの講演が終わり、天王寺動物園の飼育員さんによる爬虫類生態館の見学ツアーです。

現在工事中であるニホンイシガメの展示スペースで行い、フトアゴヒゲトカゲやボールパイソンなどのペット爬虫類の説明や、大きなアミメニシキヘビの脱皮殻などに触れあう体験などもありました。

リクガメに実際に餌をあげる実演や、ヘビの頭の骨を実際に見てみるなどめったに体験できない見学ツアーをみなさん興味津々で聞いていました。

イシガメとクサガメの見分け方や、スッポンとパンケーキリクガメ(写真左)の体が扁平な理由のお話などもあり、短い時間ではありましたがとても濃い内容のお話を聞くことができました。

見学ツアーに行っている間には、半分の待機組がワークショップの催しに参加していました。

駆除をした亀の甲羅を使った「アヨートル」という楽器を使って演奏を楽しんでいたお子様も多かったです。中央アメリカの民族楽器だそうで、叩くと不思議な乾いた音が鳴ります。

弊社、環境事業協会からは2023年に改正される条件付き特定外来生物についてのワークショップを行いました。なぜアカミミガメを外に逃がしてはいけないのか、日本にいる猛禽類やアフリカに生きている動物たちを例に「生態的地位(ニッチ)」のおはなしをしました。日本にはもともとあったニホンイシガメの「生態的地位(ニッチ)」しかないため、外来種であるアカミミガメがそれを奪ってしまうので、イシガメの個体数が減ってしまうということを参加者の皆さんは熱心に聞いてくださいました。

また、天王寺動物園の飼育員さんによる質問コーナーでは様々な疑問に答えてくださいました。他にも鳴き声クイズやいろいろなクイズなどにも挑戦でき、ワークショップをとても楽しんでいました。

小学生から大人まで幅広い層にご参加いただけた今回の共催学習イベント「みんなで学ぶ!アカミミガメのはなし」はこれで閉会となりました。様々な体験のできる学習イベントはコロナ禍で一気に数を減らしていましたが、今後徐々に数を増やしていろいろな層の皆様にご参加いただけるよう環境事業協会は企画を続けていきたいと思います。

最後に、共催としてくださいました天王寺動物園のスタッフの皆々様、講演をしていただいた飼育課の西村慶太様、和亀保護の会の西堀智子様に格別のご厚意やご協力をいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

そして参加者の皆様、ご参加いただきまして誠にありがとうございました。環境事業協会のイベントへまたのご参加をお待ちしております。

前のページへ戻る
ページトップに戻る