Reportイベントレポート
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2024年03月29日環境を考える人づくり 自然との共生を学ぶ#sdgs #環境学習 ♯里山保全 体験
MIZUBEキャラバン 八尾きんたいセイバーズ!絶滅危惧種の生息地を守ろう! を実施しました!
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3月17日(日)MIZUBEキャラバン第4弾の「八尾きんたいセイバーズ!」を開催しました!MIZUBEキャラバンは、親子で水と生きものに親しむ体験型環境学習ですが、今回はため池の環境を学びました。
当日は、協会本社に集合していただき、観光バスで八尾市にあるきんたい廃校博物館まで移動しました。
今回、きんたい廃校博物館や「きんたい」について教えてくれたのは、きんたい廃校博物館 館長の大橋一輝さんです。普段はサラリーマンとして働きながらも、きんたい廃校博物館の館長をしているスーパーマンです。
また、今回ため池の方で生きもの調査を教えてくれるのが、NPO法人ニッポンバラタナゴ高安研究会の松葉成生さん、山中智樹さん、山田翔斗さんです。
さっそく、きんたい廃校博物館の中を見学し、展示されている魚を始めとした生きものを見学しました。
軽く水槽や展示物について見学したら、続いて大橋館長による「きんたい」と「廃校博物館」についてのお話です。
「身近な生き物とニッポンバラタナゴを守ろう」と題していただき、昔は「メダカ」という魚であったものが、今は「キタノメダカ」「ミナミメダカ」に分かれていること、そのメダカによく似や外来種がいること、一日に生き物が「100種類」以上も絶滅に瀕していることなど、とても分かりやすく教えてくれました。
生物多様性はとても大事なお話で、中でも八尾市では「きんたい」と呼ばれているニッポンバラタナゴは絶滅に瀕している魚の中でも、絶滅危惧ⅠA類という最も絶滅しそうな生きものであるということも教えてくれました。
ニッポンバラタナゴだけではなく、このような絶滅しそうな生きものたちをなぜ守らないといけないのか。例えば、よくみんなが口にしている「クロマグロ」や「ニホンウナギ」も絶滅危惧種のうちの一つです。これらがもしいなくなってしまったら、日本のお寿司屋さんではネタがどんどんなくなってしまうかもしれません。生物多様性をおろそかにすると、巡り巡って私たちの生活にも影響が出てしまうということを学びました。
その後、きんたい廃校博物館の説明を聞いたうえで、改めて博物館の展示を見学させてもらいました。大事なお話の後に改めてみると、注意して解説を読んだりできてとても良い経験になりました。
きんたい廃校博物館をあとにし、午後からの目的地であるきんたいの保護池にみんなで歩いて向かいました。
ぽつぽつと雨が降ってきてしまいましたが、お昼ごろには到着して、ため池でお弁当をみんなで食べました。この日のお弁当は八尾市にあるお弁当屋さんで、きんたい米を使用した唐揚げ弁当となっていました。品種はひのひかりという品種のお米で、八尾地域で育てられたお米です。噛むとほのかに甘くやさしい味が口いっぱいに広がりました。
おいしいお弁当を食べたあとは、いよいよため池の生きもの調査です。
松葉さんと山中さんから、ためいけは危ないところであるなど、気を付けなければならないことを教えてもらってからいざ入水!
水温が13度程度で、まだまだ冷たい水の中をみなさんゆっくり進んできんたいや淡水二枚貝、ヨシノボリなどの魚を探しました。
午前中にお話を聞いたきんたいの稚魚がたくさんとれ、またきんたいが卵を産む貝もたくさん採集できました。
なかには、ヨシノボリというハゼの仲間もいましたが、背びれなどにイシガイ(タガイ・ヌマガイの仲間)のグロキディウム幼生がくっついているものもいました。イシガイは、生まれたときはプランクトンとして生活をし、ちいさなパックマンのような形をしています。その開いた口のようなものでヨシノボリなどのヒレにくっついて、体液をもらいながら生活をするということを説明していただきました。
ある程度成長すると、ヒレからは離れてため池の底の泥に潜って、普段見かける貝の姿へと成長していきます。
そんな貝の不思議と、きんたいの関係を自分の目で見て体験した参加者のみなさんは満足そうでした。
みなさんが採ってくれた生きものの中には、外来種であるアメリカザリガニもいました。
ザリガニはきんたいやイシガイなどを食べてしまいます。そのため、ザリガニには罪はありませんが駆除をして本来の生態系を取り戻します。ここはきんたいの保護池、人工的に掘って作られたこの池には本来ザリガニはいなかったはずです。心無い誰かが逃がしたのか、雨の日に自分で歩いて近くの川や池からやってきたのかはわかりませんが、いてはいけない生きものを駆除するのも、きんたいを守るためにはとても重要なことであると松葉さんから学んで、今回のMIZUBEキャラバンの体験学習を終了しました!
きんたい廃校博物館・NPO法人ニッポンバラタナゴ高安研究会の大橋館長、松葉さん、山中さん、山田さん本当にありがとうございました。