Reportイベントレポート

2025年03月26日

【親子向け環境問題講演会】みんなで学ぶ! 絶滅危惧種のはなしを開催しました!

3月20日(木祝)、親子向け環境問題講演会「みんなで学ぶ!絶滅危惧種のはなし」を開催しました!
講師は、箕面公園昆虫館の館長、中峰 空さんと副館長の清水 聡司さん、飼育担当の山本紘子さんです。

まずは、弊社環境事業協会の職員から、今回のチラシに込められた想いなどをご紹介させていただきました。

中峰さん
清水さん
山本さん

今回のイベントのチラシに書かれている文字「危惧」の文字が薄くなっています。これは印刷ミスなどではなく、危惧の文字が消えてしまうと絶滅種になってしまう。だからそうなる前に、今一度絶滅危惧種について考えてみようという願いが込められていました。

また、開催日が3月20日春分の日であることも、「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされている日にみんなで学ぶことができればと企画者が発案したものです。

まず最初は、副館長の清水さんと飼育担当の山本さんのお話です。最初は、絶滅危惧種についての説明からでした。みなさんの身の回りにたくさんいるモンシロチョウや、アゲハは絶滅危惧種ではありません。特に決められた区分けはありませんが、あえて言うのであれば、普通種という呼び方をします。普通種がたくさんいるということは、実はとてもいい環境なのです。そんな普通種ですら近年は減ってきてしまっています。

箕面公園昆虫館では、特に「ツシマウラボシシジミ」という長崎県の対馬市のごく一部にしか生息していない希少なチョウの「生息域外保全」を実施しています。
もともとの生息域を丸ごと保全して行う保全活動事業のことを「生息域内保全」といいますが、その逆で元々の生息域が絶滅寸前である場合は域内保全を実施しながら並行して「生息域外保全」も遂行していることが多いです。その活動に箕面公園昆虫館も参画しています。

写真右の左上にツシマウラボシシジミの標本がありますが、約1cmほどのとても小さなチョウであり放っておくとこのままでは絶滅してしまいます。その絶滅を防ぐため、日夜清水さんや山本さんたちは保全活動を続けているのだとということをお話しいただきました。

続いて、館長の中峰さんです。

箕面では絶滅したダイコクコガネ
中峰さんが新種記載した化石昆虫

中峰館長からは、箕面で絶滅してしまった昆虫たちの紹介をしていただきました。

もともと箕面公園には多種多様な昆虫たちが生息をしていました。外国から研究者たちがこぞってやってくるほどのとても良い環境が揃っていたからです。今でも大阪府内では屈指の自然を誇る箕面公園ですが、昔に比べると何種類もの昆虫たちが姿を消してしまっています。

チラシにも描かれていた、ギフチョウをはじめマルガタゲンゴロウやダイコクコガネなどがその筆頭でした。これらはすべて環境の悪化や人間の手によって絶滅してしまいました。このような昆虫たちをこれ以上増やさないためにも、身の回りの環境の変化に気を配ってみてほしいと館長の中峰さんは仰います。

また、最後には中峰さんの研究している化石昆虫のお話をしていただきました。化石、といっても恐竜化石のように石のようなものではなく琥珀と呼ばれる宝石の一種のなかに閉じ込められている昆虫の化石です。
琥珀は太古の樹木から出る樹液が固まり、長い年月をかけて化石化したもので当時のままの昆虫の姿を内包しているタイムカプセルのようなものであると中峰さんは仰います。

中でも中峰さんが新種記載をした「トガマムシ」という現代にはいない種類の昆虫について熱く語って頂きました。

学校など春休み目前の休日にご参加いただきまして誠にありがとうございました!

改めて、箕面公園昆虫館の館長、中峰 空さんと副館長の清水 聡司さん、飼育担当の山本紘子さん本当にありがとうございました!

またツシマウラボシシジミの保全パンフレットのご提供を頂きました対馬博物館さん、本当にありがとうございました!

また来年度も親子向け講演会の企画を考えて参ります。

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