Reportイベントレポート
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2026年07月02日SDGsアクション 環境を考える人づくり#sdgs
「大大阪」を導いた二人の大阪市長 ~大阪市政の歴史と持続可能なまちづくりを未来に紡ぐ~
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令和8年5月24日及び6月21日の2回にわたり、連続講演会「『大大阪』を導いた二人の大阪市長 ~大阪市政の歴史と持続可能なまちづくりを未来に紡ぐ~」をエル・おおさかにおいて開催しました。
本講演会は、大阪市が人口・産業ともに大きく発展し、「大大阪」と称された時代を築き上げた第6代大阪市長・池上四郎氏と、第7代大阪市長・関一氏の足跡を振り返りながら、現代の都市経営や環境政策、さらにはSDGsにも通じる持続可能なまちづくりの理念について学ぶことを目的として開催したものです。
講師には、大阪市史編纂所・大阪市史料調査会調査員の平良聡弘氏をお迎えし、大阪市政の歴史を豊富な資料とともにわかりやすくご講演いただきました。

第1回 池上四郎の都市政策「大大阪」の基礎づくり

大阪市長就任時の池上四郎【元大阪市長池上四郎君照影】 5月24日に開催した第1回講演会では、「池上四郎の都市政策『大大阪』の基礎づくり」をテーマにご講演いただきました。
池上四郎市長は1913年から1923年まで大阪市政を担い、近代大阪の発展を支える都市基盤づくりに大きな役割を果たしました。
講演では、御堂筋建設につながる都市計画の立案をはじめ、港湾整備や交通網の拡充、上下水道の整備、河川改修、公園整備など、大都市大阪の礎となったさまざまな事業について紹介いただきました。
また、池上市政では、市営住宅や公設市場の設置、衛生施設の充実、ごみ処理施設の改善など、市民の暮らしと健康を守るための施策も積極的に進められました。
これらの取組は、今日では当たり前となっている安全で快適な都市環境を実現するための先駆的な施策であり、環境保全や公衆衛生の向上を通じて市民生活の質を高めようとしたものでした。
さらに、池上市長は、都市の発展には道路や上下水道などの「物質的な基盤整備」だけでなく、市民の教育や人格形成といった「精神的な成長」も重要であると考えていました。
今回の講演を通じて、持続可能なまちづくりとは、単に都市を発展させることではなく、市民の健康や福祉、教育、そして良好な生活環境を総合的に向上させることであるという、現代のSDGsにも通じる考え方が100年以上前から大阪市政に存在していたことを学ぶ機会となりました。
第2回 関一の都市経営「大大阪」の仕上げ

大阪市長時代の関一【大阪市史編纂所所蔵】 6月21日に開催した第2回講演会では、「関一の都市経営『大大阪』の仕上げ」をテーマにご講演いただきました。
関一市長は、1923年から1935年まで市政を担い、「大大阪」と呼ばれる時代を完成させた人物として知られています。
講演では、1925年の大阪市域拡張によって人口・面積ともに日本最大級の都市へと発展した経緯や、その背景にあった都市経営の考え方について詳しく解説いただきました。
さらに、御堂筋の整備をはじめとする大規模な都市計画事業、地下鉄計画や市バス事業などの公共交通整備、用途地域の指定による計画的な土地利用など、現在の大阪の都市構造の原型がこの時代に形づくられたことを学びました。
特に印象的だったのは、関市長が昭和初期から煤煙問題に着目していたことです。
当時の大阪は、工業都市として大きく発展し、「東洋のマンチェスター」「煙の都」と称されていました。
林立する煙突から立ち上る煤煙は、今日では環境問題として捉えられますが、当時は産業の繁栄や都市の活力を象徴するものとして受け止められる側面もありました。
そのような時代にあって関市長は、経済発展と市民生活の質の向上を両立させる視点を持ち、「市民本位・人間本位」の都市計画を提唱しました。
道路や上下水道、交通機関の整備に加え、大気環境にも目を向け、煤煙防止施策の実現を目指したことは、現在の環境政策やSDGsの理念にも通じる先駆的な取組であったといえます。
今回の講演では、単に都市を発展させるだけでなく、その発展をいかに持続可能なものとしていくかという課題が、100年近く前から大阪市政において模索されていたことを学ぶ貴重な機会となりました。
歴史から学ぶ持続可能なまちづくり
今回の連続講演会を通じて、池上四郎市長と関一市長が進めた都市政策は、単なる経済発展や都市拡大を目的としたものではなく、市民生活の向上や福祉、衛生、教育、環境などを総合的に考えた「持続可能なまちづくり」であったことを改めて認識しました。
上下水道や公共交通の整備、公園の設置、公衆衛生の向上、住宅政策、公害対策など、約100年前に進められた施策の多くは、現在のSDGsの理念と重なるものです。
気候変動や人口減少など新たな課題に直面する現代社会においても、先人たちが描いた未来志向の都市づくりから学ぶべき点は少なくありません。
私たち一人ひとりが地域の歴史やまちづくりに関心を持ち、持続可能な社会の実現に向けて行動することが、未来の大阪、そして未来の地球環境を守ることにつながります。
当協会では、今後も環境保全やSDGsの普及啓発につながる講演会や体験型イベントを開催し、市民の皆さまとともに持続可能な社会の実現に向けた啓発に取り組んでまいります。
最後になりましたが、ご講演いただきました平良聡弘様、ご参加いただきました皆さまに心より御礼申し上げます。


